「我らの狂気を生き延びる道を教えよ(大江健三郎)」

橘川雄一|2024.1
年明け早々1/1に能登地震が起きた。M7.6最大震度7 と聞く。通常の地震例えばM4.6程度とはエネルギー量差で1000倍の違いがある、巨大地震である。
映像で見ると多くの家屋が倒壊している。その下に多くのそこに住む人々がいる。亡くなった方161名不明323名(1/8)、辛い風景である。
建築は何のためにあるのか、人々に安心を与える為だったのではないか、
新潟県中越地震(2004年10月)、山間部を走っていたワゴン車が落石に押し潰され、母親と娘が亡くなったが奇跡的に小さな男の子が助かった、あの地震の時、余震が続きほとんどの人々が建物に戻れず車で過ごしていた。強く感じたのは地震での建築の信頼性のなさ、サスペンションを持つクルマへの信頼性である。あの位の柔軟性を建築に持たせられないか、
あれ以降も一般的な住宅建築で"制振構造"或いは"免震構造"を使ったという話を聞かない。お金のかかった大きな建築に限られている。
いま地球はテクトニックプレートの大移動の時期、4つのTプレートの端境に存する日本は巨大地震に何回(直近ですら新潟中越、東日本、熊本そして能登)も揺すられる。
今の日本で"生き延びる"のは至難の業とも言えるが、
東京都が太陽光発電パネル設置を住宅に義務化したが、生き延びる為にも建築基準法の規定値を満たす住宅建物に更に"制振装置"或いは"免震装置"付加を義務付ける事、民間のお金でやる時期に入っていると強く感じる。何と言っても"南海トラフ"が動く確率、ここ30年間で70%と言われているのだから。