建築の結露との闘い

橘川雄一|2024.4
ある方から質問を受けた。「RC造の内側に木造の茶室が有るが結露がひどい。何故か?」

空気は冷やされると空気中に含まれ水分が実際の水滴になる。天空に浮かぶ雲はその具体的事例。
建築でも外壁が冷やされていると(冬季)外部に面する壁内側に"雲"が、雲は冗談だが水滴を発生させる。これが結露。

建築は結露との闘いでした。外壁に面する面は室内を暖房すると直ぐに結露していました。今はだいぶ改善されています。先ずコンクリート壁の断熱に発泡ウレタンが開発され、コンクリート面に室内暖気が接しなくなった。よほど換気が悪くなければまずは結露しない。
更にいえばガラスも複層ガラスがほぼ標準化し、更に結露は減っている。
建築も進歩しているのです。

私の"結露“に関する個人的経験です。
某音楽大学の大ホール設計監理の時です。当時はまだコンクリート面に断熱材としてウレタンを発泡する技術がなくグラスウールを外壁綿に張っていた。グラスウールとコンクリート面の間に僅かですが隙間がありそこに室内の暖気が入り込む。暖気はコンクリートに冷やされ直ぐに結露する。大きな面になると恰も"漏水"に見える。お客様から「漏水」との一報が入る。それほどまでにかなりの水が発生していました。結露水を防ぐ手立てがなく、結露水を集めて屋外に排水する方法が採られていた。気付かないと室内の部材が湿気を多く含んでダメになる事もある。
湿度が極端に高いと身体に負荷が過剰に掛かり、下手をすると命に関わる病を発症することもある。
建築は雨露をしのぐことから始まると通常言いますが、雨を完全に防ぐと今度は湿気(結露)との闘いでした。
そういう意味では建築は大いに進歩しました。